農業輸出がそんなに薔薇色なわけないだろ


大本営発表の作戦計画

そして実態・・・
 
日経新聞による「その気になれば日本農業は安泰だ!(だからTTPやろうよ)」キャンペーンうざすぎ。
この記事はTTPバンザイは前提なんだが、そもそも何の準備もできてねえだろ、という経産省からの警鐘ですた。

2011年1月11日(火)
食品輸出の期待と現実
小平和良(日経ビジネス記者)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110106/217830/
 
農産物や加工食品の輸出を促進しようという機運が高まっている。TPP(環太平洋経済連携協定)の議論や海外での日本産品への人気が背景にある。しかし、曖昧な安全基準や不十分な国内制度が食品輸出の壁になっている。
(略)
日本の農産物は安全なのか?
 
 農産物では農薬が問題になることもある。
 北海道倶知安町のようてい農業協同組合は昨年9月、カボチャから基準を超える残留農薬が検出され、約12トンの商品を回収すると発表した。この時、検出されたのは有機塩素系の殺虫剤「ヘプタクロル」。1975年に農薬としての登録が切れ、既に使用されていないものだった。
 冷凍ギョーザの毒物混入事件や野菜の残留農薬の問題が大きく報じられたこともあり、中国産の食品の安全性に不安を持つ人は多い。しかし、中国の生産現場をよく知る大手スーパーの関係者は「輸出品に使われる野菜を作っている農場は日本以上に管理が厳しい」と話す。例えば、土壌の残留農薬を念入りに調べ、栽培中は隣接する農場からの飛散農薬にまで目を光らせる。一方、日本は「消費者が思っているほど厳しく管理していない。いまだに数十年前に使っていた農薬が検出されるぐらいだから」(流通関係者)。
 経産省幹部は「農産物の輸出国であるニュージーランドは、農薬の使用に限らず、運送や保管なども厳密に管理しており、輸出相手国の要求に応えられるようにしている」と話す。日本の場合は、データを求められてもデータそのものがなく、税関で足止めを食うものも少なくないのだという。「栽培や保管などのプロセスを厳しく管理すると、中小の農家では対応し切れない。結局、中小農家を守ろうという制度が、輸出促進の障害になっている」(経産省幹部)。
 
 今のところ、海外の消費者は日本の農産物や加工食品の安全性や味を高く評価している。しかし、「高い評価はただのイメージにすぎない。自国の経済が発展してくれば、日本の食品も実は大したことがない、ということになるかもしれない」(イシハラの渡辺氏)。
 日本は約6兆7000億円の農林水産物を輸入している一方、輸出はその10分の1以下の約4500億円にとどまっている。農林水産省は輸出促進に力を入れるが、海外の展示会への出展を支援するといった施策だけでは不十分だ。
 TPPへの参加は農産物や加工食品の輸出を一気に押し上げる可能性がある。だが、日本の食品安全基準や生産管理の仕組みが非関税障壁となって食品輸出を阻む。TPP参加の議論を進めるとともに、こうした非関税障壁となりかねない制度を見直す必要が出てきている。