インドは化学肥料の使いすぎ

 
つうか収穫量もさることながら同じ作物でも栄養価が下がっているという問題もある。
ドーピング作物はけっきょくツケが廻ってくるのだ。
個人的なことで言うと大昔、インドを貧乏旅行したとき野菜の美味しさに感激した!
日本のスカスカなのに比べて太陽を蓄電しているかのごときジューシーさというか。。。
なのにインドでも数十年前から急速に化学農業化が進んでしまったようだ。
化学肥料がイクナイのは菌根を殺してしまうからなんだ。
短期的には増産が効くが中期的には地力が衰え却って減産になる。
結局菌根が持続可能なレベルを維持するに如くはない。
ただ菌なぞ土地ごとに最適なものがいるはずで、日本での取り組みはどうなっているか気になるところだ。
 
追記)

http://www.osaka-ue.ac.jp/zemi/kusanagi/2009nagizemi/pdf/08_Matano.pdf
 
それにしても野菜の劣化は凄まじい!
この問題を解決した野菜を売り出せば大ヒット間違いなしだな。
だって同じ量の野菜をとっても何十倍も食べたのと同じになるんだもの。
ちゃんとした野菜を食べればサプリメントなんか要らない。

これは「野菜の見栄えを重視、促成栽培、野菜の旬を無視した農法、
化学肥料の使いすぎ・・・」などの原因だけではないですが、有吉佐和子氏の小説『複合汚染』によれば、野菜のピタミン含有量が、ピニールハウスによって60%も低下し、農薬によって40%に低下した、という意味のことが記載されています。
結局のところ、私たちの口にはいる野菜のビタミン含有量は、昔の16%ということで間違いないようです。http://taisyu5.sblo.jp/article/16071017.html

2010年12月22日(水)
インドの農業を微生物が救う!?
化学肥料への依存は農業の持続性を押し下げる
business today
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20101220/217623/
(略)
 菌根コロニーは、植物の根が、水やミネラルをより多く吸収するのを助ける。そして一部の栄養素を、植物が必要とする可溶型に変える。さらに、微生物を原因とする病気から植物を守る。一方、菌根は植物から炭水化物をもらう。
 しかし、インドでは化学肥料や殺虫剤を大量に使用してきたために、土壌1グラム当たり20〜50個いた菌根菌胞子が半減している。つまり、土壌の肥沃度が下がり、農業生産高が減少しているのだ。
 
 1999年、KCPシュガー・アンド・インダストリーズのベラガプディ・マルシ・ラオ会長(当時)は、最初に問題の本質をとらえ、正しい結論を導き出した一人となった。インド南東部アンドラブラデシュ州のクリシュナ地区にあるKCP管理区域のサトウキビ農場では、灌漑が行き届いているにもかかわらず、それまで16トン以上あった1ヘクタール(1万平方メートル)当たりの収穫高が、12トンに減少していた。ラオ氏はその原因が化学物質にあると考え、土壌生産性を向上させるための方法を探し始めたのである。
 幸運なことにちょうどその年、タタ・エネルギー研究所(TERI、現在はエネルギー資源研究所)の菌根研究センターの科学者たちが、13年の研究の末に画期的な成果を上げた。彼らは、痩せた土地の半合成培地で菌根の培養に成功したのである。翌年TERIはその成果を商品化。KCPがその技術ライセンスの供与を最初に受けた。
 現在、KCPが管理する3万エーカー(1億2000万平方メートル)に及ぶ区域のサトウキビ農家が、粉末状で販売されている菌根の移植片を使用している。同時に化学肥料の使用を25%抑えた。これらの結果、サトウキビの収穫量は1ヘクタール当たり2トンほど増加した。砂糖の生産量も増加している。
 
 ラオ氏が直面した問題が現在インド国内に広がっている。いわゆるグリーンベルトの一部を形成している地域――パンジャブ州やハリヤナ州、ウッタルプラデシュ州西部――において、過去3年間に土地生産性が3〜7%低下している。インド全体の土地生産性は、中国や米国などの他国、および世界平均に比べて非常に低い。
 インド国内の耕作地1億1400万ヘクタールに対して、年間4800万トンの化学肥料が使われている。その結果、化学物質が蓄積され、有用な土壌微生物を事実上死滅させている。M・S・スワミナサン研究財団のP・C・ケサバン氏は「数十年前に収穫高の上昇は止まってしまった。持続不可能な耕作法を取ったために収穫高の減少が始まった」と述べている。
(略)