日本は世界を癒す?

大仰なタイトルだが、要するにわざわざスイスから日本に来て河合準雄に学んだ一人のカウンセラーが人気というだけの話。
ただ「日本にいるとホッとする」という話は興味深い。
これって中島義道の『ウィーン愛憎』で語られている、西欧人の超越主観競争=上から目線競争の裏返しじゃないかね?
そして精神医学者こそ、超越主観競争の制度的勝者なのだ・・・そんなやつらに相談したくねえええ

欧州 日本は世界を癒す、心理カウンセリングの新潮流河合準雄の愛弟子は、いまや欧州各国で引っ張りだこに
2010.12.20(Mon)岩澤里美
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5056
(略)
 河合の偉大さは、日本の文化に合わせた心理療法を確立したことだ。その河合の下で、日本人の精神を学びたいと門戸を叩いたスイス人がいた。現在、スイスで活躍するカウンセラー、ブルーノ・リーネル(54歳)だ(文中敬称略)。
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 「日本にいるとホッとする。体でそれを感じる。スイスに比べれば日本は台風や地震などの災害は多い。社会の変化も激しい。でも、学校や会社など生活しているグループが常に自分を守ってくれる」
 「だから日常の不安のレベルが低くてすむ。西洋は何でも白黒区別する。要らないものを容赦なく切り落とす。だからスイスでは日常生活に不安がある」
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 「一番教えられたことは、相談者である患者が良い方向に変わることがとにかく大切で、すべてを理解しなくていい。説明がつかなくても、治ったことを喜ぶだけでいいということ」
(略)
 「世界的に、医学という領域や学問の世界では心理学は立場が低い。とりわけユングのような深層分析という考え方は、医師たちやほかの分野の研究者たちに怪しいと受けとめられていて信頼されてない」
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 しかし、例えば思春期の心の問題のケアを比べると、日本はスイスより、なんと20年ほど遅れているという。すっかりお馴染みになったように見えるカウンセリングも、第一人者である河合の教えを基礎に日本ではまだ発展していく必要がありそうだ。

ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書)

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