EU財政統合はできない

今回登場するはLSEの先生。先生だけあって極めて整然と語っている。というか英国人だからかもw
で、興味深いのは三橋貴明さんとほとんど同意見だということ。EU財政統合ができないという指摘は重いね。
しかし大竹記者は突込みが足りない!
財政統合ができないのにEUは維持できるの?と聞いて欲しかった。

2010年12月20日(月)
デフォルト回避へ「蜘蛛の糸」は?
【検証:ユーロ危機3】英LSEベッグ教授「まだゲームは終わっていない」
大竹剛(ロンドン支局)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20101214/217533/
(略)
 これまでのところ、ECBはFRBのような量的緩和には踏み込まないという姿勢を見せている。しかし、国債の買い取りは一種の量的緩和だ。量的緩和とは言われなくても、金融システムに流動性を供給するという点で同様の経済効果がある。ECBには、その堅いイメージよりも、柔軟性がある。私は、ECBは正しい回答を見つけるだろうと、楽観視している。
(略)
 債務問題から抜け出すには、3つの方法がある。その1つが、デフォルトだ。債務の再編や支払いの延期などいろいろ呼び方はあるが、それらはデフォルトのひとつの形だ。
 日本の場合、欧州平均の2倍程度の債務レベルにありながらも長い間、問題が起きなかった。それは、国債のほとんどが国内投資家に所有されているからだ。大きな負債を抱えながらやっていけるかどうかは、その負債を誰に対して負っているかによる。
(略)
 2つ目がインフレだ。インフレか、実際の経済成長か、いずれにしてもGDP国内総生産)の名目成長があれば、負債の大きさは少しずつではあるが減っていく。中期的に経済成長を加速することは、債務返済を可能にする方法である。利払い率が経済成長率よりも低ければ、大きな問題にはならない。
(略)
 そして最後の方法が、公的資産の売却である。
(略)
―― 財政の統合が将来的に必要との見方も多いが、それに向けての障害もある。どのように克服したらいいのか。
 まさに政治の問題で、今春、ギリシャ救済が議論されていた時には、ドイツのメディアや政治家が、ドイツの納税者がギリシャの年金を払うべきではないと、激しいキャンペーンを展開した。国境を越えてある国の納税者が、他国に支出に責任を持つほど、欧州は十分に団結していない。この状況がすぐに変わるとは思わない。
(略)