韓国の経済成長率が日本より高いのはなぜ?

 

2010年11月15日(月)
韓国の経済成長率が日本より高いのはなぜ?
グローバル企業の技術革新だけがその理由ではない
高安 雄一
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20101104/216943/?P=1
 
(略)
以上で見てきたように、韓国の潜在成長率が日本より高い理由としては、日本と比較して(1)韓国の高齢化率が低い、(2)韓国の15歳以上人口増加率が高いといった、人口学的な変数の違いを挙げることができます。
 
 もちろん潜在成長率と実際の成長率が一致するわけではありませんが、実際の成長率が長期間大きく潜在成長率から離れることは考えられませんので、実際の成長率の差についても、主に(1)(2)により説明できると言うことができます。ただし技術進歩の寄与も韓国の方が高いので、この部分にはサムスン電子LG電子といったグローバル企業による技術革新が寄与している可能はあります。しかしながら日韓における経済成長率の差である5%の多くの部分は、人口増加率や高齢化率の違いによるものであることは、韓国経済の真の姿を見るためには押さえておく必要があります。
 
 なお現在の韓国は、日本以上に少子化が進展しており、今後は日本以上のスピードで15歳以上人口増加率の低下、高齢化率の上昇が起こることが予想されています。
 
 例えば、高齢化率が7%から14%になるまで日本では24年かかりましたが、韓国では18年しかかからないと推定されています。よって日韓両国の経済成長率の格差は、今後は縮小していくことが想定されます。日の出の勢いの韓国企業の活躍を見ると、日韓両国の経済成長率の格差が拡大していくようにも見えますが、実際にそのようなことになることはないでしょう。