高橋洋一かく語りき

  
共同謀議論じゃないけど高橋さんをサポートして話させているのは元警察官僚の亀井さんなんじゃあるまいか?
  


財務省では、他省庁より1コ下の役職ランクで対応しています」と話す高橋洋一さん。
(にゃんこのコメント:なんだかすごく怪しい風体なんですが・・・誰のコーディネイトですか?)
    
財務官僚パワーの源泉 予算編成権と国税の睨み(元財務官僚 高橋洋一さんにきく)
2010/1/ 1 08:45
http://www.j-cast.com/2010/01/01056734.html
    

脱官僚」のキーワードは、民主連立政権が2009年に誕生する大きな原動力になった。しかし民主政権は、早くも官僚、なかでも財務官僚に屈服したとの見方も出ている。「官庁中の官庁」と称される旧大蔵、現財務省の力の源泉や、そこに勤務する人たちの実態はどのようなものなのか。元財務官僚で安倍政権の内閣参事官も務めた、政策工房会長、高橋洋一さん(54)に3回シリーズで話を聞いた。

 
「我ら富士山、ほか並びの山」
 
――財務省は「官庁中の官庁」と言われています。内部の人はどう受け止めていますか。
高橋 内部でもそう言っています。「我ら富士山、ほか並びの山」という言葉もあります。
 
――そうした言葉が生まれるのは、持っているパワーゆえなのでしょうか。
高橋 国家財政を扱っている、という仕事から来る自負心でしょう。予算の「査定」、財政法上「必要な調整」というのですが、ここに力の源泉があります。
  
――世界の財務当局と比べ、日本の財務省は突出した力を持っているのでしょうか。
高橋 いえ、各国ともほとんど似たような強い力を持っています。他国では、法律上財務当局が他省庁より格が1つ上、と位置付けられているケースもあり、財務当局大臣は、イコール副総理格という国もあります。日本では他省庁と平等という建前です。そういう意味で、国際的に見れば日本の財務省の力は弱いともいえます。
  
――予算を担当する強みとは、どのようなものですか。 
高橋 予算とは、国家の活動全てを数字で書き表しているものです。どんな活動にも金がかかります。国家全体の運営をやっている、そんな意識から先ほどの「我ら富士山〜」というような言葉が生まれて来たのでしょう。断っておきますが、私自身は理財局が長く、主計局勤務はありません。
   
――民主政権になって状況は変わりましたが、以前の予算陳情は、財務省の力を見せつけられる行事でした。
高橋 今の状況は知りませんが、以前は確かにそうでした。担当者の机には名刺の山ができていました。まずは要求官庁(他省庁)の所へ陳情に行きますが、これは、という案件はやはり財務省の担当者の所に足を運んで、という流れになっていたようです。ま、財務省の担当者は話なんか聞いてないですけどね。山のように要求が来る訳で、とても全部頭に入れることなんてできません。もっとも陳情する方も、一生懸命やってるぞ、というアリバイ作りだったというケースもありますが。
  
――主計局の中でも主計官に力がある、という印象があります。
高橋 主計局は局長、次長がいて、主計官は課長級というイメージです。その下に課長補佐級の主査がいて、詳しいことは主査の方が知っているという場合もよくあります。
  
――主計局が強いと言われる背景には、刃向かうとしっぺ返しをくらう、というようなこともあるからでしょうか。
高橋 それは主計局の担当者次第ですね。人によります。感情を交えない人もいたし、遺恨をもってあくまでダメ、要求は呑まない、とやる人もいたようですね。
   
国税の幹部ポストにも財務省キャリアが就く
  
――力の源泉は、主計局だけでなく、国税(庁)を外局にもっている、ということも影響しているのではないですか。企業にしても政治家にしても、睨まれて調べられると、どこかしら不都合な所は出てくるものです。こうした力を意図的に使われるとたまらない、恐ろしい、という意識が浸透している気がします。
    
高橋 確かにそうですね。国家権力という意味で、警察、検察、そして国税というのは大きな柱です。戦力・自衛力というのは置いておくとして。その国税財務省が関わっているのはすごいことです。国税にも専門のキャリアがいるのですが、幹部ポストには財務省キャリアが就きます。歴代すべて財務省キャリアというポストもあります。脈々とパワーを培ってきているのです。
  
――財務官僚は、若くして税務署長になりますね。そこで政治家と付き合い、いろんな問題の手の打ち方やさじ加減を身につけ、それが一層力を持つことにつながるのではないですか。
高橋 今はその制度がなくなったのですが、かつてキャリアは20代後半で税務署長を経験することになっていて、私も四国で署長をやりました。50人から100人の部下を持ち、9割は年上、幹部クラスになると父親のような人たちです。「自分は偉いんだ」と勘違いする若造もそれは出てくるでしょう。政治家からは、陳情を受けるからとにかく横にいてくれ、と頼まれたこともありました。こちらは何のことかよく分からなかったのですが、いてくれるだけでいいから、というので、「はあ、はあ」と聞いていました。税金の滞納通知を送られた政治家が私の所へ飛んできて、即金で納税したこともありました。滞納通知は自動的に当人へ葉書がいくシステムで、私は全く知らない話だったのですが、政治家にしてみれば、署長に外で滞納についてしゃべられたら大変だ、と思ったのでしょう。
   

財務官僚が日本を動かしている――それは都市伝説なのか。彼らの前には、予算チェックを担う政治家もいれば、「権力を監視する」マスコミや「ご意見番」審議会の存在もある。財務官僚たちは、彼らとどう向き合い、どう「操縦」しているのか。元財務官僚で安倍政権の内閣参事官も務めた、政策工房会長、高橋洋一さん(54)に聞いた。

      
マスコミは「紙」食ってるヤギに等しい
     
――マスコミ関係者と接していた経験から、彼らをどう見ていますか。
高橋 審議会に入り手なずけられる「ポチ」もいますね。マスゴミ」なんて言葉もありますが、「紙」を食ってるヤギのような存在です。彼らは記事を書くために、すぐ役人に「紙」「ブツ」を求めます。概要や要点を書いた資料のことですね。すると彼らはそれをそのまま記事にします。それがないと不安で記事が書けないようです。バックグラウンドを理解しようとしません。出発点になっている法律を読み込む力もないし、そもそも読んでない。「紙」には、役人は自分たちに都合のいいことしか触れません。例えば、エコポイントはいい制度だ、という声を聞きます。確かにいい部分を含んでいます。しかし、役人たちがその影でいくつ天下り団体を作ったことか。新制度、法律を作るとそこにくっついている話なのにマスコミは気付かない。役人にしてみれば、ちゃんと法律にも予算書にも最初から書いてますよ、それを国民の代表たる国会議員が通しましたよね、マスコミもなんら問題視してませんでしたよね、それを後になってから天下り団体がけしからんと言われても困るんですよね〜といった思いでしょう。
  
――法律や予算書が読める「怖い記者」はいましたか。
高橋 いなかったですね。プロじゃないと読めません。政治家も学者も読めてませんから。シンクタンクに取材する記者もいますが、シンクタンクの担当者が誰から情報を得るかと言えば役人です。役人に聞かないと彼らも理解できない。手前みそですが、私が立ち上げた「政策工房」は、予算や法律が解る人間が法案作りなどの手助けができないか、という思いから生まれました。
  
ファーストクラス乗せて学者籠絡
   
――審議会などの存在も、役人の筋書きを権威付けるために利用されているだけだ、という指摘もあります。
高橋 その通りです。まず人選。学者については著書を読めばどういう立場かすぐ分かるので、例えば賛成派9割、反対派1割という具合にまとめます。反対派を増やさざるを得ない状況もありますが、やり方はあります。反対派の人の都合の悪い日に会合を設定する、などはよく使う手です。タイムスケジュールも結論も最初から決まっています。「5月の連休明けに結論を出すから逆算して……」と段取りをつけます。誰が何を言いそうかは、データベース化しています。私も少し関わっていましたが。色分けが済んでいて、誰を選べばいいか、誰を避けるべきか瞬時に分かります。審議会のメンバーになると、海外出張の予算が付きやすいなどの「特典」もあります。で、その際財務省の役人も「おもてなし」のため付いていきます。私もやったことがありますが、外務省に任せるなんてとんでもない、財務省が入管から完全に自前でアテンドをやります。入管は待たずにすっと通れます。担当の役人が直接話をつける訳ではないのですが、航空会社への出資・融資関係にちょちょいと声をかければ、簡単にファーストクラスなどのアップグレードチケットが入手できます。当日になって学者に「何故だか知りませんがファーストクラスに変わってました」などと言って勧めれば、大喜び、大感激で乗っていきます。まあ、感激しそうなタイプの学者を選んでる、というのもありますが。これを重ねると役所に好意的になっていきますね。
   
――スキャンダルをマスコミに流す、ということはあるのですか。
高橋 私は流したことはありませんが、そういうケースはあります。私が内閣参事官をしていた安倍政権のとき、政府税調の会長だった本間正明教授が(2006年末に)スキャンダルで辞任したことがありました。これは伏線がありまして、当初、財務省から上がってきた会長案は石弘光さんでした。しかし、方針の違いなどから塩崎官房長官が「官邸主導でやる」と財務省案を差し替えました。すると、ほどなくスキャンダルを流された。情報を全部持っていたのは財務省。ああいうタイミングで「愛人」――これは不正確なマスコミ表現でしたが――と官舎問題を一緒にしてスキャンダルとしてやられたと見ざるを得ません。
   
――国会議員との関係は。
高橋 徹底的に足を運んで折伏します。土下座する人もいますし、私なんかはあっさりやっていました。勉強している真面目な政治家は意外といるのですが、こちらが「要路」、手順を間違えなければ折伏できます。情報を流す順番とかタイミング、そのノウハウが、財務省には特にしっかり蓄積・伝承されていました。
  

日本を動かしているのは我々だ――。実際の財務官僚は、そんな「自負心」をもつ人たちばかりなのだろうか。「寝る間もないほどの激務を安い給料でこなしている」という声もあるが、彼らの出世と待遇の実態はどのようなものなのか。元財務官僚で安倍政権の内閣参事官も務めた、政策工房会長、高橋洋一さん(54)に聞いた。

   
民間と役所、人材入れ替えできるシステムを
    
脱官僚」はどこへ? 鳩山首相の舵取り能力が問われる。
    
――財務省に入る若い人は、最初から自分は偉くなるぞ、と出世のイメージを持って入ってくるのでしょうか。
高橋 人それぞれですね。私は「変人枠」で入った人間ですから違います。そういう人間の目にどう映ったか、ということですが、今指摘されたような人は確かにいました。将来的に国のリーダーに、ということを考えていましたね。財務省は、役所の中でも議員化率が高いといえます。私の同期23人からは3人も国会議員が生まれました。今は自民の2人が落選してますが。この3人は若いときからそうした志向がうかがえましたね。
    
――死ぬほど働いて泥のように眠る、なんて話も聞きます。国会待機など、そんなに忙しい日が続くのですか。
高橋 そんなことはありません。メールを使えば自宅作業が可能な場合もありますし、答弁書を書くこと自体はとても簡単なんです。踏み込んだことは何も書かない訳ですから。朝は、答弁書を大臣に説明するために早いと言えますが、夜の仕事はたいしたことはありません。中には300時間超過勤務した、なんていう人もいましたが、周囲や部下に話をきくと、不必要にぐるぐる回っているだけで、早く帰ればいいのに、なんて言われている始末でした。私の超過勤務は20時間ぐらいのものでしたね。
   
――待遇面では、民間一流企業に比べ恵まれていない、という不満もあるようですが。
高橋 役所の仕事は、密度は薄い割にそこそこ(給料を)もらっていると個人的には思っていました。直接予算編成をする部署は少しだけ給料基準が高いのですが、そんなには違いません。バブル景気のときは確かに民間より低いな、と感じたことはありました。しかし、今のようなデフレになってくると、むしろ公務員の待遇は魅力的になってきているのではないでしょうか。
     
――天下りを正当化する議論として、一定の年齢まで安い給料で我慢して働いているのだから、後でその分を取り戻すのは仕方ないではないか、という声も聞きます。
高橋 果たして役人の給料は安いのか、と疑問を感じます。今のシステムの問題は、役所に入ると蛸壺で出入りの自由がきかない点にあると分析しています。世界的には、学者やマスコミ、実業界などの民間と役所との人材の入れ替えが行われるようになっています。日本のあり方は特殊なのです。世界基準に改めるべきだと考えています。そうすれば天下り先は不要になります。
    
民主党、財務官僚に完全屈服は間違いない
     
――天下りを含め、待遇面をしっかりしないと優秀な人材が集まらない、という人もいます。
高橋 そこそこのレベルの人で十分なのではないでしょうか。「いい待遇」なんかを気にする人材ではなく、本当に「国民のために働きたい」という人たちを集めればいいと思います。世界の潮流を見ても、政府の重要性は落ちてきています。以前は、政府は全知全能で大変重要だと考えられた時期もありました。しかし、「政府の失敗」という言葉もでてきて、政府も間違うことがあるし、むしろ市場に任すべきで政府は何もしない方がいい、という考え方が出てきました。こうしたことは市民感覚でも浸透しているのではないでしょうか。
     
――財務官僚は「お婿さん候補」としてモテモテで、秘書課長の机には見合いを望む女性の写真がズラリと揃っているそうですね。
高橋 はい、それは本当です。私自身は学生結婚だったので無縁でしたが、周りには紹介してもらった者が結構いましたね。今はどうなのか知りませんが。
      
――最後に、民主党政権になって、官僚と政治家の距離は変わってくるのでしょうか。
高橋 かつて、首相のときの小泉さんは、距離感の取り方が抜群にうまかったですね。大臣の竹中さんと秘書官の飯島さん・(財務省出身の)丹呉さんを、A面B面のように使って、官僚と距離を置いたりうまく利用したりしていました。独特の嗅覚があったのでしょう。安倍さんの内閣のときは、理念通りに官僚と距離を置いて公務員改革を進め、正しい方向でしたが、それで官僚組織に足をすくわれてしまいました。以降の自民内閣は、再度官僚に取り込まれました。そして今の民主党ですが、安倍さんのときの状況を見ていたんでしょう、官僚との距離感はぐっと縮まっていて、もはや「密着」状態です。
       
――日本郵政社長に、大物財務省OBの斎藤次郎さんをつけた人事がありましたね。やはり彼の影響力は大きいのですか。
高橋 財務省の誰に質問するかで答えは異なるでしょう。一応、今では省と斎藤さんとは「距離がある」ということになっていますが、かつての部下や姻族もいるし、それで「距離がある」という感覚は、普通ではない気がします。いずれにせよ、「事業仕分け」の内実を見ても、民主党は財務官僚に完全屈服したのは間違いありません。