本当は偉くない?歴史人物
本当は偉くない?歴史人物 日本を動かした70人の通信簿 (SB新書)
- 作者: 八幡和郎
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 新書
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八幡和郎さんの新作。
八幡さんってのはウヨクなのかサヨクなのかよくわからないんだけど、既成史学に反発しているひとなんだな。
前著では「江戸ブーム」に冷や水を浴びせ、今回は幕末ブーム、特に坂本龍馬がターゲットのようだ。
勝海舟は幕府と薩摩に通じた二重スパイ。龍馬はそのエージェント。新撰組は警察が雇ったヤクザ。
ごもっともでございます。。。
この人もともと専門の学者ではなくフランス留学した通産官僚なんだよね。
そういう意味では日曜歴史家なのかもしれないけど、整理の仕方がとても合理的で小気味よい。
ときどき筆が走っちゃうけど、西欧人が日本史を整理しているような感じ。
学会政治を気にしなくて良いし蛸壺日本史愛好家みたいに思い入れがないからかもしれない。
ところで本書では邪馬台国畿内説を否定するけれど、崇神天皇を実質初代の天皇とし1世紀ころの神武天皇の実在の可能性も示唆する。
漏れは邪馬台国はヤマト国で畿内にあったと確信しているけど、九州の小領主だった神武がうまいことヤマトの王に収まったというストーリーは賛成なんだよな。
さらにさらに、戦後日本では一種タブーであった神功皇后を重要人物として立てているのも意外。
漏れは以前
と整理したけど、ほぼ八幡さんと同じだ。ただ八幡さんは応神天皇の代わりに神功皇后を置いている。
まあ応神が座った大ヤマトの玉座を準備したのは神功皇后だよね。
また、聖徳太子不在説があんまし意味がないとの指摘はまったく同感。
それでは、どうして、無理な論理を組み立てて邪馬台国や卑弥呼を大きく見せたい人がいるのだろうか。それは天皇制の権威を損ねることが目的なのだ。[p22]