在日特権〜センター試験韓国語


大学入試センター試験は、18日、理科と数学の試験が行われ、2日間の日程を終えました。国公立大学の2次試験の願書の受け付けは今月26日から始まり、景気の悪化の影響で国公立大学を目指す傾向が強まるものとみられています。
  
大学入試センター試験は最終日の18日、全国738の会場で理科と数学の試験が行われました。東京・目黒区にある東京工業大学では、試験を終えた受験生たちがテストの感想を話し合いながら会場をあとにしていました。大学入試センターによりますと、埼玉県の東武伊勢崎線で人身事故が起きた影響で、埼玉県越谷市文教大学の会場で試験の時間を最大55分遅らせる措置が取られ、受験生827人に影響が出ました。また、埼玉県内のほかの会場でも、あわせて5人が時間を遅らせて別室で試験を受けました。一方、横浜市横浜国立大学では、18日の理科の試験中に時間の設定ミスでチャイムが鳴って受験生443人に影響が出ました。また、東京・武蔵野市成蹊大学では、数学の試験中に蛍光灯が15分間にわたって点滅し、31人に影響が出たということです。このほか、17日の試験でも各地の会場で英語のリスニングテスト中に暖房から音がしたり、試験を決められた時間より早く終わらせたりするミスなどがあったことがわかり、18日と17日、全国の8つの会場で行われた5つの教科の試験であわせて718人を対象に再試験が行われることになりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/t10013622111000.html

センター試験 外国語 得点平均/受験人数
    2001    2002    2003    2004    2005    2006    2007    2008
英語 55(535152) 55(549224) 63(551891) 65(535944) 58(520048) 64(499630) 66(503823) 63(497101)  
独語 59( 116) 51( 127) 55( 96) 71( 105) 67( 102) 78( 106) 71( 125) 68( 116)
仏語 70( 145) 71( 156) 66( 138) 70( 154) 66( 149) 67( 141) 71( 158) 68( 152)
中語 77( 327) 75( 436) 75( 405) 74( 409) 85( 372) 85( 397) 82( 485) 73( 460)
韓語 ---------- 83( 99) 85( 169) 77( 174) 79( 213) 78( 189) 74( 186) 72( 142)
http://www.dnc.ac.jp/old_data/suii4.htm

今回初めて大学入試センター試験(以下「センター試験」という。)に「韓国語」が導入された。外国語では、「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」に次いで5番目の導入で、その実施にあたり様々な方面から注目を浴びた。特に日本国内よりも両国間の歴史的経緯を反映してか、韓国における注目度が高く、今回の実施により日本の高校生が韓国朝鮮語を学習する新たな動機づけが生まれるのではないかという期待感を抱いていたようだ。実際に我々高等学校の現場で韓国朝鮮語を教える教員も、いったい何名が受験し、どのような問題が出題されるのか、興味深く見守っていた。結果として、最終受験者は99名。受験者の平均得点は165.40を記録した。一見異常なほどの平均点の高さで、非常に易しい問題が出題されたと思われる方もいるだろうが、この平均点の高さが実は、問題の難易度とは全く関係ないことが、ある統計から明らかになった。今回の受験者の得点分布はその約半数が180点以上に分布していたのである。それ以外の受験者の得点は最低点38点から均等に点在していたにも関わらず、である。このことから、受験者の約半数(もしくはそれ以上)が、日本の高等学校で韓国語を学習して今回の入試に臨んだ者ではないと推測される。はっきりしたことは分からないが、おそらく民族学校出身者かもしくは帰国生徒ではないかと思われる。つまり、彼らにとっては問題の難易度はそれほど関係なく、おそらく今回の問題よりも数段難しい問題が出題されても同様の点数を獲得するのではないだろうか。
 さて、今回のセンター試験受験者の中で、日本の高等学校で韓国朝鮮語の授業を履修して受験した生徒の割合が、このように少なかった原因はどこにあるのであろうか。このことを少し考えてみたい。まずは、第1回目の実施であるため、あまりにも試験問題に関する情報が少なく、そのため受験を差し控えた生徒がいたことは想像に難くない。しかし、それだけであろうか。我々は、現況の教育とセンター試験実施の間に大きな隔たりがあることを指摘したい。2001年度現在、約150を越える日本の高等学校で韓国朝鮮語の授業が行われている。学習している高校生の数は、正確には把握できないが、4,000名ほどいると言われている。しかし、その殆どの高等学校は2〜4単位の授業単位数で、これを時間数になおすと50〜100時間程度である。この50〜100時間の学習時間でどれくらい韓国朝鮮語を習得できるだろうか。少しでも韓国朝鮮語を学習した方ならお分かりいただけると思うが、韓国朝鮮語の学習の初期は、その多くの時間を、発音と文字の習得に費やさざるを得ない。つまり、ハングルという独自の文字と日本語には無い様々な発音を理論的に理解し習得するのに、上記の50〜100時間の大部分は費やされるのである。むろん簡単な日常会話、自己紹介や挨拶程度はこの時間内に学習可能であるが、体系だった文法や語法の学習までは手が届かないのが実情だ。つまり、この現状から見る限りにおいて今回の韓国語のセンター試験実施は、「大学入試センター試験は、大学に入学を希望するものの高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的とする」とするセンター試験の実施趣旨からは、かなり遠いものであると言わざるを得ない。このことが、日本の高等学校での授業学習受験者の割合が少なかった大きな原因であることは間違いなく、今回の「韓国語」センター試験に関しては、実施段階において大きな自己矛盾が存在していたのである。
 では、今回の「韓国語」試験の実施は、日本の高等学校で韓国朝鮮語を学習している生徒にとって全く無意味だったのであろうか。我々は、そうは考えていない。仮に、現場の教育状況に立脚していない無理な導入であったとしても、これを契機に一人でも多くの学生が韓国朝鮮語の学習を希望し、実際に学習した言葉を使って両国の未来のために積極的にコミュニケーションをはかる可能性が、少しでもあるのであれば、我々はこの試験の実施を基本的には肯定的に受け止め、出題者に対し一人でも多くの学習者が受験できるようなセンター試験の実施を要求していくつもりである。
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http://paranse.la.coocan.jp/Center/14hyouka66.pdf
 
6回目となる平成 19 年度大学入試センター試験(以下「センター試験」という。)「韓国語」の受験者数は、186 名であった。第1回目は 99 名で、年々受験者数は増加し4回目は 213 名だったが、今年度は減少に転じた。少子化の影響、そして昨今の社会情勢により民族学校の生徒自体が少なくなってきていることを考えると、今後も韓国語の受験者数の増加は期待できないかもしれない。また、平均点は 147.6 点( 73.8 点)で、一昨年に続き下がった。これは難易度が若干上がったことに因るものと思われる。しかし、相変わらず 150 点以上の得点者が受験者の5割が占めているところをみると、今年度も受験者の大多数が韓国語母語話者若しくはそれに近い状況の受験者であったと推測できる。
http://paranse.la.coocan.jp/Center/19hyouka73.pdf