ムネオ氏にモノ申す 北海道開拓民の魂を売るなかれ (的場光昭)

   

   
なんとなく漏れも北海道は江戸時代末期からしか和人が入植していなかったと思っていた。
でもそうじゃないんだね。
少なくとも平安時代末期から入植していたんだ。
だから古い神社あるんだ。
北海道旅行の楽しみが増えた。
   

 道内にある神社の創立年期をみれば、北海道がアイヌの占有地ではなく、古くから和人も住んでいたことが分かる。比布神社宮司の鎌田告人氏によれば、函館市の船魂神社の創立は保延元(1135)年、西行法師の頭にまだチョンマゲがあった時代のことだ。その他北海道の沿岸部には七、八百年以上の歴史をもつ神社が複数ある。創立二、三百年の神社はざらであるという。こうした歴史が祖先崇拝習慣のなかったアイヌ民族に、酒や清め塩を用いて祖先を祀るイチャルパ(シヌラッパ)という義式を根づかせたものと考えられる。
 仏寺も永享五(1433)年、現在の上磯町に海渡山阿吽寺が移入建立され、これが北海道最初の仏寺とされている。
つまり国連宣言の先住民族の定義を大航海時代以前に住んでいた人々とすると、北海道の特に沿岸部は和人が先住もしくはアイヌと混住していたのである。これこそが歴史の証明というべきであろう。
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