美しい都市・醜い都市

美しい都市・醜い都市―現代景観論 (中公新書ラクレ)

美しい都市・醜い都市―現代景観論 (中公新書ラクレ)

僕は中島義道が好きだ。そして中島が言う景観問題に100%賛成だ。日本の市街の風景は醜い。
ところが醜いことを美しいと言いくるめるのが高級なことだと考えているアホどもがいる。うすらあまい上品知識人。(何故かしばしば反権力サヨクである。)
 
ところで中高生向けヌード雑誌とお上品建築雑誌には共通点がある。
なぜかグラビアにポエムがつく。(w
どうして建築雑誌というのは(いまや懐かしい)ネオ赤風味の蘊蓄を語らなきゃすまないんだろうねえ。
で、納得のハードルが高ければ高いほど偉いと思っているらしい。
つまりベルサイユ宮殿を褒めるのは程度が低い。桂離宮を褒めるのはやや高い。バウハウスを褒めるのは高い。便器を褒めるのが最も知的。という序列である。
すると東京のグチャグチャな、単純にいえば醜い風景を実はサイバーで格好いいというのは建築専門家としてのプライドなのかもしれない。こういう業界人の蛸壺差別化競争につき合わされることほど馬鹿らしいことはない。
 
・・・と書いていたら興味深い記事発見。
また超高層なんてたてようとしているのが気にくわないが、壊されること自体は喜びたい。
 

菊竹氏、黒川氏設計のホテル、経済情勢に勝てず短命に終わる
2007年1月4日 12時37分
 
著名建築家の設計した東京都内のホテル2棟が2006年12月、相次いで営業を終了した。菊竹清訓建築設計事務所によるソフィテル東京(旧ホテルコジマ)と、黒川紀章建築都市設計事務所による六本木プリンスホテルだ。ソフィテルは開業後12年(ホテルコジマ時代を含む)、六本木プリンスは22年。東京の“ホテル戦争”が激化するといわれる2007年を目前にして、長いとはいえない寿命を終えた。ソフィテルは建物の取り壊しも決まっている。
 
ソフィテル東京(台東区池之端)は1994年6月、法華倶楽部グループのシティホテル「ホテルコジマ」として竣工。メタボリズム(建築や都市を生物のように部分的な更新が繰り返されるものとしてとらえる考え方)に基づく「樹状住居」の構想を具現化し、樹木を思わせる形状の架構の周りに、果実か葉のように客室フロアを配した。結果的に五重塔のようなユニークな造形となり、広く話題を呼んだ。95年に法華倶楽部がフランスのホテルチェーンのアコーホテルズと提携したことで、名称をソフィテル東京に変更。99年には所有者もアコーホテルズの日本法人に変わったが、内装や設備をリニューアルしただけで、ホテルとして存続していた。
 
ソフィテル東京の営業終了について、アコーホテルズ日本法人では、「建物に問題はない。むしろユニークな形なので顧客の認知度が高かった。弱点は台東区という立地条件だ。今後、東京の中心部で新たなソフィテル東京を開業することを目指す」と説明している。背景には、千代田区中央区、港区という都心3区で近年、外資系を中心とする高級シティホテルの開業が相次いでいることがある。07年にはペニンシュラリッツ・カールトンという大手が登場して、東京の“ホテル戦争”がさらに激化するといわれている。
 
TITLE:- ニュース - nikkei BPnet
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