産業育成策

通産省の産業育成策が非関税障壁だと因縁をつけられていたのはいつのことか。
いま中国も韓国も他の国もいろいろと支援策をとっているが、米国は文句を言わない。だってそれが国益に適っているから。三星なんて米国企業だもんね。SONYのオーバープレゼンスが文句を言われなかったのと同じ。
   
で、以前から副島隆彦なんかは書いていたけど、宮崎先生も「80年代、日米通商摩擦のおりに米国は日本の頭越しにIT革命の次の技術を意図的に韓国に集中させた。日本の独走に歯止めをかける目的があった。」と明記した。このことの重要性を分かっている日本人は少なそう。(逆の意味で韓国人もわかっていなさそう。(藁))
                 
しかし、、、IT革命での遅れは、日本の場合ハードウエアの開発よりも制度・ソフトウエアの利権整理ができないことが最大の問題なんじゃないだろうか。Ipodのシステムなんて絶対に日本では実現できないと思っていたら、外資ならできますた、だものなあ。喧嘩しているうちに共倒れ。だけど強いものには従います。ってこれアーロン収容所の日本兵捕虜の行動そっくりですね。

韓国は世界の通信技術大国に、と「IT839」プロジェクトが推進中
    意外や意外、韓国ですすむ政治と経済の二律背反
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 口を開けば「反日」。実態は財布の中身と技術革新。 
 
韓国のテクノロジー開発の進捗ぶりは、嘗ての集積回路全盛時代から眺めても刮目に値する進捗ぶりである。
 
80年代、日米通商摩擦のおりに米国は日本の頭越しにIT革命の次の技術を意図的に韓国に集中させた。日本の独走に歯止めをかける目的があった。
 
爾後、米国資本の一部は韓国へ集中的に投入され、倒産寸前の銀行が米国系列に入り、やがて最大のLG、サムソン、SKなど財閥系が陸続として米国資本系列に再編されていった。
 
たとえばサムソン・エレクトニクスは、75%の株主が米国の資本、たまたま韓国籍というだけの多国籍企業に化身している。世界市場で気をはく現代自動車も、いまでは米国系列とみて差し支えないだろう。
 
反日、嫌米、親中路線を突っ走る観念的イデオロギー的な韓国の政治と現実のビジネスとは巨大な乖離があるが、それを気にしないのも韓国的気質である。
 
いま韓国が明確なビジョンを掲げて官民あげて取り組んでいるプロジェクトを「IT839」という。これはIT通信の八つの技術を集大成し、三つの基盤を立ち上げ、九つの技術革新を図る、という鳴り物入り。2010年までに700億ドルを投じる。
 
4800万人の国民の比率から言えば、韓国の携帯電話普及率はおよそ99%、インターネット普及も日本より高い。若者は劇場の予約どころか、ガールフレンドへの花束配達手配、デートコースの選択まで携帯電話で選んでいるほどだ。
 
IT839の中心は政府肝いりの電子通信研究所(ETRI)である。これはソウル南方150キロの大田にあって、日夜1500人のエンジニアが民間企業の開発部門と頻繁な連携をとって、開発に余念がない。
 
研究目的は電波識別、電波帯の拡大、通信システムの整合、新デジタル技術などである。年間予算は3億4500万ドル。
 
サムソン、LG、SKなどの民間企業へ下ろされた過去の技術蓄積をカネに換算したら、おそらくはこの三倍以上もの研究開発費がすでに投じられている。
 
「韓国が次世代通信テクノロジーを牽引している」という自負に溢れ、エンジニアが輝いて見える。この光景は90年代までの何処かの国に似ている。
 
その後、SONY、松下の凋落、三洋電機の世界的リストラに象徴されるダウンサイジングとは対照的だ。
 
すでに携帯電話にテレビが内蔵され毎月14ドルでニュース番組、サッカー生中継などを享受している人口は増えている(05年6月現在韓国で七万六千人)。
 
名画劇場がコスト問題を克服して携帯電話に乗る日が近いと韓国は胸を張るばかりか、韓国製が世界標準となることを確信している。もっか最大の目標は通信容量の50倍速化。日本にこれほどの自信はないのではないか。
 
携帯電話を利用した生産管理、発電配電供給管理、在庫管理などを瞬時に手の中で行えるという欧米の研究所のエンジニアが日夜頭の中で描いている構想も実現に向けて韓国がいち早く走り出している。
 
強制連行、従軍慰安婦日帝三十六年の謝罪が足りない、靖国、教科書問題などで喧しく騒ぐおなじ国民がいる場所で、こんなことが本当におきているとは信じられない。
宮崎正弘メマガより)