二。
 米海軍作戦部長のJonathan Greenert提督へのインタビュー記事。2011-11-14公開。
  しつもん。駆逐艦の『Roosevelt』が、出港してから213日間目に母港に帰ってきました。軍事費を縮減するため、これからは、1艦に連続長期の洋上勤務を命ずるようになるのですか?

 しつもん。海軍の軍艦にもっとたくさんの海兵隊員をいつも乗せておくようにするつもりですか。

 こたえ。そのコンセプトは良いね。

 10-10時点で米海軍は325,123の人員を働かせており、使えるフネは284杯である。そのうち147杯は戦地に向かっているか戦地から戻る途中である。戦地に張り付いているフネは106杯である。



八。
 Robert Wall 記者による2011-11-10記事「Libya Ops Show Need For Lower-Cost Strike」。
  リビア作戦には、Tornado GR4、 Eurofighter Typhoon 、 Dassault Rafale が投入されたが、欧州諸国は、じつに手痛い教訓を得た。
 こんな作戦には、もっと安い飛行機がなきゃダメだということ。


 ピックアップトラック1台をおいかけまわすのに数十億円の飛行機を数十機も、延べ数千時間も飛ばし続けた。こんな馬鹿らしい浪費があるかってーの。

 低烈度の紛争に長期間、介入する仕事には、こんな最新式戦闘機は不向きなのだ。※つまりMALEの必要が再確認された。
一。
 Bill Gertz 記者による2011-11-9記事「Pentagon battle concept has Cold War posture on China」。
  中共が南支那海について「to deny access」しようとしているトンデモ国策に、米国としていかにして軍事的に対応するのか? その秘密プランの骨子が水曜日にペンタゴンから公開された。※これはオバマの関係地域歴訪の直前のタイミングというところに意味がある。オバマはシナ首相とハワイで会談予定。たぶんシナ人は12月を前にパールハーバーの話をまた持ち出して日本は悪党だと宣伝する気だろう。


 「エア・シー・バトル」コンセプト。これはシナを標的とする「新冷戦」の初期段階のスタートを意味する。

 計画は、空軍、海軍、海兵隊に対して、シナの「anti-access, area denial weapons」に備えておけ、と強調。
 その警戒すべき兵器には、対衛星、サイバー攻撃、潜水艦、ステルス機、空母を狙える長射程ミサイルが含まれる。

 もちろんこの公式文書でシナは名指しされていない。しかしそんな兵器を持っている国がシナ以外のどこにありますか、と質問すると、彼らは、答えられない。

 ペンタゴンの表現は慎重だが、オバマ政権高官(匿名)はもっとあけすけである。「もちろん仮想敵はシナだ。冷戦当時に海上ソ連に対峙したのと同じ気構えよ。オレたちは遠くのベンチでくつろいでいて敵からいきなり奇襲の一撃を喰らうのを待ったりはしない。前に出て行く」と。

 要点を列挙すれば次の如し。

一、新長距離爆撃機を開発する。※最低の筋悪提案だが、これを入れておかないと空軍が臍を曲げて、海軍に協力してくれなくなる。

二、潜水艦とステルス機の合同作戦。※攻撃的機雷戦。魚雷戦型原潜とB-2でシナ沿岸に機雷を撒く。しかし空軍はB-2をそんなつまらぬ任務に使いたがらないから、けっきょくは海軍潜水艦の独壇場となる。

三、片道1000マイル以上で作戦できる無人攻撃機。※開発は、海軍型が先行しており、これをけっきょく空軍も採用することを呑んだのか? さもなくば「ジョイント」などという言葉が仇になる。

四、空軍は味方の海軍基地を防衛するために協力する。※シンガポールを念頭か?

五、シナ本土への侵攻は、空軍単独ではやらず、必ず海軍や海兵隊もまぜること。※これは空母予算を削減されないための条項である。海軍内でも空母は急速に不要になる。リビアと違って相手は対艦巡航ミサイルを有しているのだ。海兵隊は部隊そのものが不要になっており、この条項に生き残りをかける。

六、空軍機を使って機雷を撒く。※念押し条項。少し前ならB-52が適任だったのだが、機体が古すぎてメンテコストが急騰しているので、けっきょくB-1を使うことになるだろう。

七、シナが米国の衛星を破壊するためのミサイル基地を空爆するときには、米空軍単独ではやらずに、必ず海軍も参加する。※といっても母艦機ではなく、潜水艦から巡航ミサイルをやたら発射することになるだろう。

八、軍用衛星の機動力を向上させ、シナのASATを回避できるようにする。

九、シナ軍に対する米軍からのサイバー攻撃。これは海軍と空軍が協力して実施する。※敵の地上レーダーを欺くための偽プログラムをAESAのペンシル・ビームで送り込むというすごい技が米国とイスラエルで開発されており、イスラエルはそれをすでに実戦テストしている。

 これ以上の細かいバックグラウンド・ブリーフィングはプレスに対して語られなかったが、ある士官が、空軍のA-10で、海上をやってくるシナ軍のジャンク・ボートの群れを片端から撃破するつもりだという話をしてくれた。

 今回の背景解説は、8月に合同研究部会が発足してから最初のプレス招待であった。
 将来は、米陸軍もこれに一枚噛むことになろう。特にシナ軍のミサイル等を無力化するためのサイバー戦で。