昔から、戦争が始まると欝が減る、という。
実際のところ殆んどのヒキコモリでは心身に異常があるわけではない。
社会との関わりの躓きが本質だ。
だからリセットする状況があれば立ち直るのだと思う。
人間は本質的に関係を求め協働するものだ。
「類的存在」という言葉を思い出す。

「引きこもり」するオトナたち
【第81回】 2011年9月22日 池上正樹
引きこもりが極限のサバイバル生活で大活躍!津波で4日間孤立したクリニックで起きた奇跡
http://diamond.jp/articles/-/14107
(略)
「これまで、人と比べて自分は劣っている感覚でした。ところが、自分のレベルが上がったわけではないのに、周りがストンと下がってきて、自分はそんなにひどい状況ではなくなったんです。皆も同じなんだというように視点が変えられて、前向きに動き始めることができたのではないか。とくに、反応性うつや、社会人になってから引きこもった人たちは、自己不全感が葛藤の中にあった。そういう自己不全感から解放されたような一群の人たちなんです」(宮城院長)
 
 ただ、皆がだんだん復興していったら、やはり自分はダメだと、落ち込んだりするかもしれない。あるいは、頑張りすぎてしまって、またエネルギーが喪失して、ストンと落ちることもあるだろう。
 
 震災から半年が過ぎた。被災地では、いまも時が止まったまま、半年くらいで心の傷が癒えるわけではなく、状況は変わっていない。
 
 当事者が元気になったきっかけは、フラットになった社会にヒントがある。ただ、マニックディフェンスの状態が本当に長続きするのかどうかは、これから先を見ていかないと、まだ何ともいえないのかもしれない。