DOL特別レポート
【第198回】 2011年9月16日
台湾の知られざる変貌
人口2300万人の小さな巨人が目指す 輸出と内需の“ダブルエンジン”成長モデル
〜劉憶如・台湾経済担当大臣に聞く
http://diamond.jp/articles/-/14037
受託生産主体で外需頼みの成長モデルであったがゆえに2008年以降の世界同時不況の影響をもろに受けた台湾はその後、個人消費・民間投資の促進政策を矢継ぎ早に打ち出し、中国との交流を拡大させ、経済構造の転換を大胆に図ってきた。その甲斐あって、2010年は10%を上回る成長を達成し、日米欧経済が混迷を深める今年も5%近い成長率を維持する見通しだ。改革の旗振り役を務めてきた台湾行政院(内閣)経済建設委員会の劉憶如主任委員(閣僚に相当)は、輸出と内需という“ダブルエンジン”の成長モデルに自信を深めていると語る。台日関係の行方と合わせて、台湾の経済戦略を聞いた。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 麻生祐司)
(略)
 キーワードは、平等な競争環境の提供だ。確かに台湾の産業政策はこれまで、輸出主導の経済発展モデルを追求するなかで、ハイテク産業の優遇に傾斜してきたきらいがある。しかし、もはや違う。政府は将来有望なビジネスや産業のポテンシャリティーについて見解を示すことはあれども、自らの手で有望産業を決めるようなことはしない。同じ競技場で戦ってもらい、マーケットが勝者を決めるという姿勢を貫きたい。その競技場を整備するのが、政府の役割だ。
(略)