金融市場異論百出
【第194回】 2011年9月14日
加藤出
スイス中銀のまねは困難 介入失敗のツケは納税者に
http://diamond.jp/articles/-/13986
(略)
 外国為替特別会計は、日銀よりも遙かに巨額の外貨資産を持っている。日本政府が過去10年に実施した円売りドル買い介入だけでも、49.5兆円ある。介入実施日の東京市場17時のレートで試算すると、その平均価格は108.3円前後になる。以前と異なり日米金利差は縮小、ドル建て資産から生まれる収益は小さくなっている。従来は「埋蔵金」を生み出す貴重な存在だったが、今後は評価損が注目される恐れもある。

 介入によって製造業の空洞化が避けられ、税収にも好影響が及ぶならば介入は成功したことになる。しかし、仮に「焼け石に水」に終われば、介入は事実上の納税者負担による製造業への「補助金」となる。総合的な判断が必要になる。