中国型福祉国家?

開発独裁福祉国家の成功例はシンガポールだ。
漏れはアジアの猥雑を愛するので好きになれなかったが、「明るい北朝鮮」は女子供に受けがよかった。
庶民にとっては、生活さえ豊かであれば政治的自由なんてどうでもいいのだなあ、と体感した。
なので中共独裁福祉国家というものが成功する可能性はなくはない。
しかし、ゴスプランが福祉を差配する、などということが可能なのだろうか?
理屈のうえではナショナリズム福祉国家を安定させる。
だとすれば、「重慶モデル」のオールチャイナでの敷衍は難しく、個別自治体での施行の積み重ねとなるのではないか。
それは結局支那一十八行省の復活となるだろう。そしてチベットウイグル・モンゴル各植民地の民族問題を惹起するだろう。

薄熙来が目指す「重慶モデル」
経済成長と、人民の生活向上を同時に達成する
加藤嘉一
2011年6月16日(木)
(略)
 「宜居重慶」「暢通重慶」「森林重慶」「平安重慶」「健康重慶」。
(略)
 2010年、重慶市GDPは7900億元で、前年度に比べて17%成長した。GDPの額では、3年連続で全国トップスリーにランクインした。もちろん西
部では第1位である。成長率の高さは全国2位である。2010 年の重慶市の財政収入は2000億元で、前年度比で686%アップした。ただし、1人当た
りのGDPは4000米ドルを突破したばかりで、全国17位にすぎない(マカオ、香港、台湾を含む)。相対的に貧しく、発展段階にある内陸部・西部
に位置する直轄市として、成長の余地はまだまだある。
(略)
 重慶市政府は、同市に出稼ぎに来ている農民(農民工)300万人に、都市戸籍を与えるという政策を打ち出した。
(略)
 リーマンショック後、重慶に自ら足を運び、「重慶模式」という概念を打ち出したパイオニア的存在である香港《亜洲週刊》の纪硕鸣記者が筆者
に語ってくれた。「重慶模式とは、一種の価値観なんだ。高度経済成長という政府の業績目標の達成を目指すと同時に、市民に果実を与える。物
質的生活上件を改善すると同時に、精神面のストレスを和らげる」。

 「薄熙来は、『共産党にとって、政権を奪取し、維持し続けることだけが目標ではない。国民の利益を第1に、最大多数の最大幸福という国家
本来の目標を不断に追求してこそ、中華民族の復興だ』と唱えている。重慶模式はそのための方法論を提供している。この方法論は、ほかの都市
中央政府を含めて、全中国でコピーすることが可能だ」 (つづく)