フィリピン軍はジェット戦闘機を保有していない


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 フィリピン領のパラワン島の西へ100kmも行かないところに、リードバンクという珊瑚礁の浅瀬があって、そこでは石油と天然ガスが発見されている。シナはずうずうしくもそこがシナ領だと言い張っている。いわゆるスプラトリー諸島=南沙群島の一部。
 5月、2機の比軍の OV-10 が、国籍不明の「ミグ・タイプの」ジェット戦闘機×2機から、リードバンクの上空で buzz されたという。
 ※国籍不明戦闘機がそこまで近づくまでスクランブルもかけられないフィリピン軍。それでクラーク基地から米軍様を追い出しちまったんだから、何考えてたんだ、という話。
 
 ところでこの事件には不思議がある。シナ軍は確かに自重9トンのJ-7(ミグ21のシナ版)をもっているのだけれども、同戦闘機の作戦半径はとても短いので、海南島からReed Bankまで飛んで来られるはずがないのだ。たぶん、飛んできたのは Su-27 だろう。OV-10のパイロットには、ミグとスホイの区別はつかなかったんだろう。もちろん、MiG-29 が飛んできたという可能性もなくはない。シルエットはスホイ27と類似しているので、それは誰でも識別しにくい。
 フィリピン軍は、なんと、ジェット戦闘機を保有していない。たとい敵がミグ21だったとしても、阻止できない。

ストラテジーページの2011-5-31記事「The Shipbuilding Behemoths Of the East」。
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 シナは世界の商船の総トン数の43%を建造している。
 また、現在の受注残で見ると、なんと世界の商船の54%はこれからシナの造船所で造られることになっている。
 シナ造船界の躍進の秘密は、決済ローンの条件が良いこと。より長期でより低利。これでは注文が殺到するはずだ。
 
 2008までは韓国が世界一のシップビルダーだったが、2009後半、シナは 54.96 million CGT を受注し、53.63 million CGT である韓国の造船所を抜いた。その時点でシナの世界シェア率は34.7%であった。遡ると、1999年までは、日本がいちばんフネを造っていた。それを2000に韓国が抜いた。
 GCTというのは「Compensated Gross Tons」の略で、これは、船舶の構造の複雑さを加味して数値を調整した数値である。
 どういうことかというと、たとえば、ただの鉄のドンガラであるバラ積みの筏よりは、高速コンテナ船の方が構造が複雑で、同トン数でも高額となるであろう。そのコンテナ船と比較しても、ケミカルタンカーは、同じ積荷量で4倍も建造費が高い。
 
 GCTではなく、単なる使用鉄量や容積で統計を取れば、シナの数字はもっと巨大になる。その意味するところは、シナの造船所は単純な構造でデカい船をやたらに造りまくっているということだ。
 他方で、複雑な構造の商船の代表格は、ケミカルタンカーや、液化天然ガス運搬船である。シナ人は、この分野はまだ得意ではない。
 ちなみに軍艦は「排水量」で表示するので、トン数によって商船と大きさを比較することはできない。商船は、積荷量がトン数に反映される。
 ありふれたマンモス原油タンカー(VLCC =Very Large Crude Carrier)は、30万DWT(デッドウェイト・トン)である。それは、マラッカ海峡を通航できる最大サイズだ。
 このサイズのタンカーには、200万バレル=29万トン以上の原油を積み込むことができる。
 ちなみに空母『ニミッツ』は排水量11万トンで全長は354mある。VLCCより寸法的にはわずかに小さい。
 しかしタンカーと空母では建造費が比較にならない。VLCCは $130 million 出せば買えるのに、原子力空母は値段が $4000 million するのだ。
 しかも、原子力空母を1隻、1年間運用するランニングコストは、VLCCを1隻新造する価格よりも高いのである。
 シナ人は船の大きなドンガラは工作できるようになったが、ハイテクの軍艦艤装となるとまだ一流の域には達していない。
※つまりこれから完成する「空母」なるものは、外皮だけだということ。

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▼山本拓『地下原発』H3-10
 どんな災害になろうと沃素131の大気放出などゼロにしてしまえる地下原発が可能であることは本書でよくわかる。が、なぜそれが普及しなかったかは本書には書いてない。コストの問題ではない。真の理由は、米国の偵察衛星から、燃料棒の交換を監視できなくなるからである。つまり日本の国防が米国の監理下にある限りは、原発は、天災や空爆に弱い、厄介施設であり続けねばならないということなのだろう。