外国人は、日本人のようには働かない

日本流の「働き方」を可能にしているのは「日本人としての文化的同質性」つまり「民族性」なんだよ。
そしてそれは自称「大日本帝国」が「帝国」を作れなかった理由でもある。
あれは拡張日本国に外国人を引き込んだだけだからねw
だからといって日本が「欧米流」にあわせる必要も無い。彼らだって彼らの文化的バイアスに従っているだけなんだから。
つまり世界標準などというものはない。
しかし両方を知って良いとこ取りできればいいと思うけどね。

海外ビジネス遭難防止ガイド
外国人は、日本人のようには働かない
【第4回】 2011年5月12日 白藤香
http://diamond.jp/articles/-/12222
(略)
 日本企業では、自分の裁量で仕事をやらせてもらえますが、海外企業では経験や年齢に関係なく、仕事も目標も会社から与えられるのが当たり前です。
 
「君には、この仕事の内容で、この顧客をお願いしたい」
 
「この顧客を担当するのですか。過去数年なんの動きもありませんが」
 
「何も期待していないから、自由にやってみてほしい」
 
 何も期待していないと言われても、現実には1年間という時間設定があり、その中で決められた数字を上げなければなりません。自由にやってもらいたいとは言いながらも、現実にはすべての業務は一字一句、PCで報告し、ボスからの介入を受けます。
 
「報告書は、CRM(イントラ上)にアップしないでほしい」
 
 海外企業には、そう宣言する上司もいます。部下が報告を上げてきたら、上司には共に数字を達成する責務が課せられます。経営も、報告を上げた担当者、管理する上司双方に対して数字は100%達成するものと期待します。
 
 何も期待していないというのは、まったく表面上の言葉に過ぎず、海外ではすべての数字は達成して当たり前という考えです。
(略)
「上の身分の人には、ハイとだけ言うように」

 海外の職場は、基本的に階級社会です。平等や対等という意識はなく、階級を常に意識しなくてはなりません。一部の業界だけが、専門職のプロジェクトで運用するフラット組織です。 

 上司の能力査定で雇用も賃金報酬も決められるため、部下は完全な管理下に置かれます。

「君、誰にものを言っているんだね」

 上司によくこう言ってたしなめられている部下の姿を見かけます。部下が上司に食ってかかっている姿を目撃したあと、しばらくすると、部下の姿が見えなくなくなります。
(略)
 日本人がその上下の関係に入ると、現場ではすさまじい戦い、責任のなすり合いが起こります。例えば、外国の上司は顧客の目の前で部下のメンツをつぶすことを平気で行います。しかし日本人の部下はほとんど反論することがありません。
(略)
 最後、自分の力で部下を説得できない、自分の責任を回避できない場合は、国内では聞いたことのないような暴言を吐き、部下をののしることがあります。

「You are crazy!」 (自分が想定できない状況場面に遭遇した際の定番セリフ)

 クチで戦わずして、自分の身は守れず。

「Get out from my sight!」(こんなことも知らないのか、消え失せろ)

 罵声には罵声で応酬する。上下ポストで生活をかけた激しいせめぎ合い、これが海外の職場の現実です。
(略)
 反対に、自分が上司になった場合は、部下からの集団の突き上げもよくあります。日本人上司が外国人従業員と向き合わないため、コミュニケーションが不足し、互いに信頼関係を築くことができず、追い出しに合うことがあります。

「社長に、言いつけてやる!」

 実際に本社に上司の悪口を送って、社内クーデターを画策した部下は即解雇されます。ほとんどが対話によって信頼関係が作れなかったことが原因です。
(略)
 フォーチュンベスト100に出てくるようなグローバル大企業では、実績能力主義が徹底され、数千倍から数十万倍の倍率で採用が決まるため、こうした問題を見聞することはありません。他方、縁故採用や紹介制度が残っている職場では、パワーゲーム(陣取り合戦)がよく行われています。

 米国のある地域では、事業部まるごとボスと部下十数人がいっしょに転職するという動きがあります。ボスが新しく勤務した企業の部署では、昔からいた従業員を嫌がらせで退職させ、元の部下十数人を呼び寄せるという方法をとります。GDP世界第1位の米国という国には、日本国内では聞いたことのないビジネス習慣が残っていて、けっして珍しいことではありません。

 海外では、人の垣根によって自分を守ること、どんな卑怯な手を使っても自分が勝つという意識が強くあります。
(略)