拝金社会主義中国

拝金社会主義 中国 (ちくま新書)

拝金社会主義 中国 (ちくま新書)

 

     
遠藤誉さんというオバサンはどうしてこんなに中国の内情に詳しいのか不思議だったが、いわゆる「新国家建設有為の人材」の娘だったため共産党によって1952年まで新疆(長春)に抑留されていた人の娘だからなのだと知った。1941に生まれて1952年に11歳で帰国するまで中国人と同じ教育を受けてきた。だから当時の中国人の心情を日本語で語ることが出来る希有な存在なのだ。(満洲国では昭和製鋼所のエンジニアのなかには1956年まで抑留強制労働させられた人もいたようだが、戦争は終結したというのに抑留するなどれっきとした戦争犯罪である。バカなニッポンセイジカやニッポンンガイムショウは贖罪意識からか抗議をしないが、それはそれ、ルールはルールである)
しかも興味深いことに、彼女の父の特殊技能は麻薬治療の専門家だったらしい。ニッポンサヨクには日本軍は麻薬を蔓延させて戦費を調達していたという一面からだけ語るバカが多いが、満洲国では内政安定のために阿片漸減政策をとっており、急激な禁止は却って非合法麻薬の跋扈を招くとしてタバコと同じく専売制をとって供給をコントロールしながら中毒者を治療するという方針がとられていたことによる。実際台湾はこの方針で麻薬撲滅に製鋼しており、少なくとも初期の満洲政府はきちんとした保健衛生政策として麻薬対策を行っていたのであって、営利や敵国攻撃のために麻薬を専売していたのではない。ただし、残念ながらまったく潔白というわけではなく、ブローカーや戦費に悩む関東軍支那派遣軍にはそれぞれの思惑があり、満洲国政府自身も大きな税収を得ていたのは事実だ。
    
ところで、この本のあとがきで中国人の周到さと恐ろしさを示す(そして嫌韓厨がよろこぶ)エピソードが語られている。
    

一九四八年九月、長春の元満映の近くにあった卡子の門。その開かずの門に中国人の八路軍ではなく、朝鮮八路軍を立たせるという「妙技」を中国は演じている。しかし、冷酷無残な行動ができた彼ら朝鮮八路軍は、一九五〇年から始まった朝鮮戦争の戦場に送られ、金日成の粛正により全滅している。
 もし歴史が、あの卡子の非人間性を裁こうとしたならば、「それは中国共産党ではなく、朝鮮人八路がやったことだ」という言い逃れを、中国という国は最初からきちんと用意していた。その見事なまでの「手の打ち方」に私は茫然としたものだが、中国には数千年の歴史が培った知恵と「手の打ち方」があることを、われわれは忘れてはならない。
[p234-247]

   
つうか『卡子』ってのは山崎豊子が『大地の子』のネタにして訴訟になってた。
だから昭和製鋼を思い出させるのか。いまごろ気がついたよ!
 
それにしても残忍な朝鮮人八路・・・まぁ、民族の対立を利用するのは帝国主義の基本中の基本なんですけどね。
なんだか世界中で残虐行為のパシリをしているな、朝鮮人。。。そして走狗煮られる。`s(-・-;)
フビライ・ハーンが投降した南宋軍と高麗軍をまとめて日本侵略に向かわせ処分したことを思い起こさせる。