十七歳の硫黄島

十七歳の硫黄島 (文春新書)

十七歳の硫黄島 (文春新書)

 
秋草さんはあの戦いと死んでいった人達をどう考えるべきか自問し続けたそうだ。
「彼らの死に意味はあったのか?」ということ。
裏返して言えば「無駄死にだったのではあまりに可哀想」ということか。
 
僕も彼らの死が無意味とは言いたくない。。。
と思っていたら、別宮暖朗+兵藤二十八の『大東亜戦争の謎を解く』にぴったりの部分があった。
 

これに先立つ硫黄島と沖縄の戦闘で、アメリカ軍は七万人以上の死傷者を出していた。そこで相手となった日本軍は三個師団である。もし日本本土に上陸するならば、島嶼戦のように兵站線がつながらない敵ではなく、後退するだけで補給が得られる日本軍150個師団と向かい合わねばならない。
[略]
トルーマンチャーチルは、この新兵器によってもはや、日本を降伏させるためのソ連の助力は必要でないことで一致した。そこで日本には国家の無条件降伏ではなく、軍隊の無条件降伏だけを求めることとした。さらに領土保全や、政体についての不干渉など、日本がスウェーデンやスイスを通じて密かに求めていた条件にも考慮が払われた。
7月26日、ソ連を除いた連合国としての対日降伏要求が、なぜか外交ルートではなく、ラジオ放送で伝えられた。これがポツダム宣言である。だが、原爆投下前の終戦を望まなかったトルーマンの意向により、回答期限すら付けられなかった。
[略]
20世紀の二つの世界大戦で、敗戦国が事前に領土保全の約束を得てから降伏できたのは、日本のみであった。チャーチルの述懐の通り、このポツダム宣言の条件は、硫黄島と沖縄における日本軍将兵の敢闘が勝ち取ったものである。[168-170p]

     
ありがとう、皆さん。日本人はあなた達のことを永久に忘れません!