終戦のローレライ

ローレライ [DVD]

ローレライ [DVD]

話題の映画を観た。
いまの日本映画は実写は最低でアニメは面白いというのが相場だから、樋口・庵野・押井とオタク界の重鎮が勢揃いした映画なら面白いのではないかと期待したのだった。
      
        
        
またダメだった・・・ ○| ̄|_
         
        
            
なんでダメなんだろ〜な〜も〜(TдT)
そもそもこの映画は「ヤマト」+「ナディア」+「エヴァ」ですね。
(このポスター、まんまシンジくんとレイちゃんだろが)
それはまあいいや。
       
ローレライが超能力美少女というのもいいです。
娯楽映画なんだから。
でも・・・
          
漏れは史実が背景にある映画だと「歴史への敬意」が感じられないとダメなんです。
ヨゼフ・フィルスマイヤの『スターリングラード』はいいけどジャン・ジャック・アノー版は観ていられないとかね。
ローレライも、なんだか民族・戦争・死というものに対する感覚の軽さ、やたらと演説をぶつ役所広司戦後民主主義的なお利口さんぶり、というのにいやあな気分にさせられました。ヲタクよおまえもか・・・
だいたい庵野秀明の「悲壮ぶりっこ」もアニメなら笑っていられるけど、実際の戦争をアニメ的想像力で語られるのは不愉快。(だからガンダムオタも嫌い)
樋口シンジは以前ロフトで「太平洋戦争当事者のトーク」みたいなイベントに参加しているのをみたことがある。そういうところにオタク的ファンタジーに自足しないでマジで戦争とはどんなものなのかを考えようという誠実さを感じていたんだけど・・・ダメか・・・
役者陣はそろいもそろって浮いてるし、先日亡くなった岡本喜八の映画に登場するようなリアルな兵士という感じがまるでない。伊武雅刀なんか他の戦争映画では結構いい感じでやってるんだから、やはり制作側の問題なのかなあ。
                
いつも思う日本映画の致命的欠陥は、すべての出来事を浪花節にしないと理解できない!こと。
感傷は最小限に押さえて戦争という他者(ゴヤの巨人)の恐怖を感じさせてくれや。
                    
日本人の若い世代の戦争のイメージってのはこの程度なんだろうか?ある意味恐ろしいことだ。
                
ああ、こんなこと書いていたら『ブラザーフッド』が気になってきた。韓国人は浪花節病に陥らずに歴史を描けるのかなあ?こんど観にゆこうっと。