団塊の壁

 

    

かっこいいお爺さん、森田実さん
    

この表は5年前なので、2010年では61・62・63歳になっているわけです。
普通の企業では役員でもならなければ定年です。
つまり狭義の団塊世代は既に引退している爺婆なんですね。
でも漏れの感覚では69年までの全共闘に大学生年代で参加した人を団塊世代としていいと思う。
したがって69年に18歳、つまり51年(昭和26年)生まれまでで「戦後のベビーブーム世代」と一致する。
69年=安田砦落城以降は低迷して72年=浅間山荘事件にトドメを刺された。
事実上全共闘は安田砦落城で終焉しているのだ。
放送でもそういっていたじゃん。

    
沖縄の集団自決記述を巡って『ダカーポ』で森田実さんが「体験者の証言があるのに削除する文部省の反動性(怒り)」といったコメントをしていた。そういう決定的な証言を見つけられなかった漏れとしては何のことを言っているのか不思議だった。森田さんだけが知っている決定的な証言があるのかもしれないが、漏れはどうももうひとつの可能性が高いような気がする。それは良く調べもしないで思い込んでいるという可能性だ。
というのも、つい最近居酒屋で団塊オヤジが、日本人は朝鮮人を何百万人も強制連行してそれで日本に残らざるをえなかったのが在日韓国朝鮮人なんだ、と力説しているのを聞いた。知ってのとおりこの強制連行説はすでに完全に破綻している。だが彼はおそらく昔読んだ何かの本の受け売りでその後この研究が進んで否定されたことを知らないのだ。まったく同様に朝鮮人女性20万人を慰安婦にした、と主張しているオヤジもいた。今日でも韓国人にとって「慰安婦=挺身隊=20万人」が国定史観だが、それをそのまま受け売りしている様子だった。しかし日本では慰安婦と挺身隊は同じではないし20万人は多すぎるというのはサヨクでも認めている。どちらのケースでも昔知った情報が更新されていないのは明らかだ。また別の団塊オヤジと話していて感じたのは、より深刻に、個々の事実の修正ができる人でも大きな思考のフレームを修正するのはとても難しいらしいことだ。在日朝鮮人のほとんどは強制連行とは無関係だし慰安婦と挺身隊は違う。でも日本は朝鮮にひどいことをした等等。つまりトマス・クーンのパラダイム論でいう「通常科学」状態なのだ。
でも漏れ自身の経験からも思考フレームを変えるというのは非常に難しいし時間も掛かるし苦しいこと、アイデンティティを脅かす恐ろしい努力の必要なことなのだ。正直漏れの思考フレームは若い頃のマルクス主義から変換したが、この歳から更に別に変える体力は残っていない気がする。
そういうわけで団塊世代は死ぬまで若生頃の団塊世界観を変えないままなんだろうと思う。
 
森田実氏や世に倦む日々氏やfinalvent氏や余丁町散人氏や、ときに副島隆彦氏にも、そういう団塊世代の刻印を感じる。